下村満子からのメッセージ
間もなく、東日本大震災(3.11)一周年がやってきます。
とはいえ、被災の傷跡は、いまだに深く、中でも福島は、他県と異なり、いつ終わるとも知れない原発事故と放射能汚染による諸々の不安と苦しみが重くのしかかり、人々の心をむしばんでいます。
「下村満子の生き方塾」では、「HUMANBAND on Route 3.11」プロジェクトに共感し、来る3月11日(日))の「日の出の時刻」(5時50分)に、福島に集まり、「HUMANBAND」に参加してくださいと、呼びかけています。
「HUMANBAND on Route 3.11」プロジェクトというのは、この日、被災地である青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉までの500キロ(あるいはそれ以上)を、ご来光の太陽に向かって、出来るだけ被災のあった海沿いに並び、皆でしっかり手を握り、繋げよう、という想像を絶する、すごい計画です。
ルートにもよりますが、60万人から100万人くらい必要です。そして日の出の時刻に全員で33秒間(3×11)黙とうし、犠牲者の鎮魂のために祈り、私たちが生きていることに感謝し、失われた尊い命を決して無駄にせず、必ず「この地」を、「東北」を復興させることを誓い、その後「ふるさと」を大合唱します。そして、一人一人がその地に、「花の種」を植えます。
それを5万人くらいのボランティア・カメラマン(素人でもプロでもOK)が撮影し,後に一枚の写真にして、世界一長く巨大な記念写真にします。DVDにもします。
演説もなく、アピールもなく、「鎮魂と感謝と復活への祈りと決意」という静かでシンプルなものですが、それが却って大きな波動となり、絆となり、日本国中のみならず、世界に向けての強烈なメッセージになりパワーになる、というのが、その「こころ」です。
こんな前代未聞の、大それた、誰が考えても不可能に思えることを考えたのは、一人のドクターですが、今この輪はどんどん広がっています。この亀井眞樹ドクターは、「下村満子の生き方塾」の応援団の一人でもあります。
私は、強い思いを持って、こういう不可能な(その上、何の得にもならない)ことにチャレンジする人が大好きなので、即刻このプロジェクトに共鳴し、「下村満子の生き方塾」と「盛和塾福島」両塾生もこの無謀とも思える情熱に感動し、福島県の中核団体として全面協力し、福島における事務局なども務めることを決定しました。
とはいえ、「夢と思いは」は大きくとも、時間は限られています。私どもは他県についてまで手を広げる力と余裕はありませんので、今回はその持てる力とエネルギーを「福島」に集中することにいたしました。
それに、福島は皆様ご存じのように、地震、津波という自然災害だけでなく、「原発事故と放射能汚染」という、「人災」に苦しんでおり、他県と違い、復興の途に就くことさえままならない状態です。いわば、「人類の業」を背負わされているという意味では、象徴的な場所です。私たちが「福島に集まってください!」とお呼びかけしているのも、そうした意味も込めてのことです。
これまでも、「福島のために何かしたい、何かできることはないですか?」と、いろいろな方が声をかけてくださいました。でも、仕事があるので長期のボランティアは難しく、赤十字にお金を寄付してもなんか実感がわかず、現地に勝手に行ってもかえって邪魔になるでしょうし、といった声がたくさんありました。
もし、そういうお気持ちを少しでもお持ちの方がいらっしゃったら、今回、是非、この「HUMANBAND」に参加してください。
ルートは、今のところ、添付の地図で表示したところを予定していますが、いまだに通行できない状態の道もあり、現在現地を足で歩いて確認中ですが、大きくは変わりません。
参加費は、1000円です。これはこのプロジェクト実施に伴い発生する、諸経費(仮設トイレの設置、警備員の配置、通信費、連絡費、資料代他)に当てます。この支払方法は、別紙をご覧ください。
不思議なことに、3月11日は、日曜日です。その上、手を繋ぎ祈る時刻は、「日の出の時刻」(福島は5時50分だそうです)です。日曜日の日の出の時間に仕事がある方は、そう沢山はいらっしゃらないと思います。所要時間は2時間程度です。その時間に福島に来て、その場所に立つ、ということだけで、福島をはじめ被災地の方々にどれほど大きな元気と感動と前向きのエネルギーを差し上げることができるか。そして、実は、福島のためにボランティアで、「利他の精神」で参加したつもりだった一人一人が、結果として、最高の感動と元気と喜びと素晴らしい仲間との出会い、という贈り物を手にすることになると、私は確信しています。
震災直後の福島に、私は何度か、10トントラックに支援物資を積んで、原発で被災した友人や避難所を訪ねましたが、この被災者たちが、「支援金も支援物資も、大変ありがたい。でも、最大の支援は,みなさんが福島に来て下さることです」と異口同音に言っていたことが、今でも忘れられません。
日本人は忘れっぽい国民です。大震災直後は日本中、世界中が注目した福島ですが、時間が経つとともに少しずつ忘れられつつあります。が、原発事故・放射能汚染との戦いは、そこで生活する大多数の福島の人たちにとっては、「いつ果てるともしれない長い長い戦い」なのです。
この「HUMANBAND on Route 3.11」に参加していただくことは、そうした福島の方々への、最大の精神的サポートであり、「貴方たちを忘れていません」というメッセージでもあるのです。
「HUMANBAND」は、一過性の今年だけのプロジェクトではありません。毎年、3.11の日に行う予定です。
今年の3月11日一周年に、何人集まり、どこまで繋がるか、正直誰にも予想できません。私たちは、全力を尽くして、一人でも多くの方に来ていただくよう、呼びかけを続けます。
が、たとえ、今回、完全に被災県六県を完全に繋げなくとも、毎年少しずつ長く、そして福島の場合、少しでも海に近づけていくことを目標にしていくつもりです。
そして「HUMANBAND on Route 3.11」を、徐々に、現代版「奥の細道」にして、観光資源にしていこうという構想や、「参加費1000円の中から、必要な経費を引いて、余った場合には、それをもとに、東北支援のため財団を作ろうという話など、夢は沢山あります。
が、その夢の実現は、すべて、来る3月11日にどれだけの方々が、福島に来て(あるいは他の被災地でも結構ですが)、手を繋ぎ、どれだけ長い「人間の絆」が出来るかにかかっています。
皆様、まずは、このメールを読んで、参加したいとお考えの方は、出来るだけ早く、参加の意思表示を(添付のエントリーシートを使って)お願いいたします。
どこに立つのか?、集合場所は?、交通手段は?、前日はどこに泊まるのか?、といった細かいことは、すべて、何人の方がお集まりいただけるかによって変わってきます。したがって、まずは、おおよその人数を掌握するためにも、参加申し込みをぜひお願いします。
福島の方はもちろんですが、全国津々浦々、世界のどこからでも、是非参加してください!大歓迎します!
これを受け取った方が当日参加できなくとも、一人でも多くのご友人、知人の方々に、このメールの趣旨を説明して、転送していただくだけで、大きな支援になります。
エントリーしてくださった方々には、順次詳しい情報をメールなどでお知らせします。
もちろん、都合が悪くなって不参加になっても、その旨お知らせいただければ、かまいません。
以上、長いお願いの手紙になりましたが、皆様方が、この趣旨に賛同し、一人でも多くご参加いただき、福島に「大きな渦」を作っていただくことを夢見ています。福島でお会いできることを楽しみにしております。
下村 満子